着果・食味とも良好
串本特産のキンカンが旬
串本町樫野地区では、特産のキンカンが旬を迎えている。今年産は着色がやや遅れているものの、開花期の天候に恵まれたことなどにより、着果・食味とも良好に仕上った。
本州最南端の温暖な気候と、ミネラルを含んだ潮風が当たる園地はキンカン栽培に適しており、果実が大粒で甘いのが特徴。栽培の歴史はざっと100年以上ある。
最盛期には100戸ほどの生産者がいたが、高齢化と担い手不足により、5戸まで減少。それに比例して生産量も減少傾向にあるが、青果だけでなく加工品としての需要もあり、地域で生まれた特産物を守るため地元生産者らは高齢になっても栽培を続けている。
今年産は47㌃ほどの面積で、生産量は平年並みの約5㌧を見込む。天候に恵まれ、果実の肥大、糖度、着色とも良好だという。
串本町樫野の生産者、堀口千代子さん(83)は、「樹齢100年になる木に今年も大きな実をつけ、品質は良い。実は小さく収穫も大変だが、元気に頑張りたい」と話している。
収穫は3月中旬頃まで続く予想で、市場に出荷するほか、JA紀南管内の直売店やAコープでも販売している。