JAの営農指導事業について調査研究するため、東京農業大学の学生らが8月30日から2日間、JA紀南を訪れた。対応した職員らは、紀南の農業全般や独自の安全・安心システムなどの取り組みを紹介した。
視察に訪れたのは、東京農業大学国際食糧学部食糧環境経済学科の生徒学生20人と教員2人。毎年学生が農業に関するテーマに沿って調査・研究を行い、その結果を11月の学園祭で発表する。今回はJAをテーマに取り上げ、特に営農指導事業を中心に学習を進めてきた。
JA紀南を視察先に選んだのは、和歌山の特産である梅とミカンの産地であること、さらにJA独自に構築した農薬の自主分析を通じた安全・安心システムや、農業所得向上の取組みに学生らが魅力を感じたからだという。
対応した指導部の職員は、JA事業全般の紹介や紀南農業の特徴、高齢化が進む農家の現状やその対応策などを紹介。その中で学生らは、農業所得向上のためのJGAPへの取り組みや、ドライフルーツの加工・販売に興味を示していた。
3回生の長谷川大輝さん(20)は、「農家が高齢化している背景で、指導員や消費者など関係する人々も高齢化していることが分かった。そのような地域が多いことを認識した上で、地域復興や関係づくりを考えていきたい」と話した。
このほか学生らは肥料や農薬、農機を取り扱う購買センターや、地元農産物を販売しているファーマーズマーケット「紀菜柑」などを見学した。
今回の視察を受け、指導部の城戸誠司部長代理は「事前にJA紀南指導事業をよく調べられており、踏み込んだ質問も多く、熱心さがよく伝わった。今後もこういった学生さん達らの調査を受入れ、少しでもJAに興味を持って頂けるよう対応したい。」と話した。