JA紀南管内では7月下旬から、夏の風物詩である梅の天日干しが本格化している。全国に名高い「紀州梅干し」を生み出すため、生産者らは暑い夏空の下で作業を繰り返す。
JAの今年の梅生産量は、平年並の約2万2000㌧。2206戸が梅を生産しており、半数ほどが自宅で「白干し梅」に一次加工し、JAや加工メーカーなどに出荷している。
生産者らは6月に梅を収穫後1カ月間程度塩漬けし、梅雨明けとともに畳一畳分ほどの干し皿に並べて天日干しを行う。均等に干し上がるように1日に数回ひっくり返しながら3~4日かけて干し、10㌔のタルに階級・等級別に詰める作業を繰り返し行う。
田辺市下三栖の小山勝也さん(41)は、7月16日から南高梅の天日干しをスタートし、9月上旬まで天日干しを行う。一次加工した白干し梅は15㌧を見込み、全量をJAへ出荷する。
小山さんは「肉厚でふっくらした品質の良い梅干しに仕上がっている。多く方に梅干しを食べていただき、熱中症の予防などに役立ててもらえれば」と話している。
JAに出荷された白干し梅は、減塩処理や味付けを施され、「紀州南高梅干し」として全国のスーパーや量販店などに出荷される。