苗木の自家育成にも挑戦

梅4㌶を家族4人で栽培
苗木の自家育成にも挑戦
苗木の自家育成にも挑戦

 田辺市下三栖の谷口智哉さんは、梅4㌶を家族で栽培している。効率のいい農業経営と、苗木の育成による収量安定を目標としている。
 小さいころから農業には全く興味がなかったという谷口さん。社会人になってからも、運送会社で働きながら実家の農業を手伝う程度だった。本格的に就農する契機となったのが、父から1カ所の梅畑を任された時だという。
 いざ自分で作ってみても、全く思い通りにできない。その時初めて「農業は手を加えれば、加えるほどよくなる」ということに気づき、本腰を入れるようになった。
 梅の収穫期となる農繁期以外は、基本的に両親と妻の4人のため、いかに少ない労力で畑を回せるかを常に考えながら作業をしている。効率を上げるため、落ち梅を収穫するネットの敷き方を工夫したり、剪定しやすい高さに樹高を調整したりしている。
 近年力を入れているのは、苗木の自家育成だ。苗木販売店からの購入苗に頼っていると、足らない時や欲しい時に注文してもすぐに納品できない時があるからだ。
 苗木以外にも、ユンボの使い方やモノラックのレール引き方、モノラックの修理など、自分たちでできることを極力増やし、農家同士でも情報を共有していけないかを模索している。
 今年、JA紀南の青年部長に就任した。ここ数年コロナ禍で中止していた活動を再開し、部員との交流を深めるイベントや、他JAの青年部との交流などを行って盛り上げていきたい考えだ。
 谷口さんは「これからの農業は助け合いと人とのつながりが大事になる。自分たちができることは農家同士で助け合いながら行っていきたい」と意気込んでいる。