JA紀南のファーマーズマーケット「紀菜柑」が導入したデジタルサイネージ(大型テレビ)が、利用者から好評だ。出荷者の紹介や農産物の品種紹介などの動画を店内で流しており、「生産者の顔が見えて安心」といった声が聞かれる。
紀菜柑では以前、品種の多いかんきつ類や味の異なる梅干しなどの試食コーナーを設けていたが、コロナ禍に伴い廃止した。そのため、「何か試食に代わるアピールができないか」と検討した結果、昨年12月にデジタルサイネージを導入することとなった。
手始めにミカンの生産者紹介を行ったところ、「いつも買っているミカンの生産者の顔が分かり、より親近感を持った」という利用者の声も。その後、旬を迎えたイチゴや中晩柑類でも、品種の紹介や生産者のコメントなどの動画を流し、利用者から注目を集めた。
紀菜柑の滝本亮太販売担当は「農産物を並べているだけでは、分からない情報を伝えられる。買い物をする人が立ち止まって見たいと思わせるように、畑の映像や作業風景を入れるなど工夫していきたい」と話す。