安全・安心で環境に優しい梅栽培を目指すJA紀南の「梅特別栽培研究会」は、使用する農薬を慣行の半分以下とする県の認証基準に加え、除草剤・化学肥料を一切使わないといった独自の基準を設け、栽培に取り組んでいる。
研究会は1997年、梅の販路拡大を目的として「減農薬栽培研究会」として発足。2002年には和歌山県の特別栽培農産物認証を取得するとともに、研究会の名称も「梅特別栽培研究会」と改めた。
県の認証基準では、農薬の使用量は慣行の5割減としているが、研究会ではより厳しい約6割減での栽培を義務付けている。さらに年間を通して除草剤を使用しない、肥料は100%有機など、独自の基準を設けている。
現在は39人の会員が約18㌶で栽培に取り組む。今年産「南高」の予約数量は約253㌧で、6月23日時点で250㌧が集まっている。
研究会の会長を務める上富田町岡の岡本智郁さん(62)は「草刈りなど栽培管理にかなり労力がかかるが、良い梅を作るため。こだわり抜いて作った梅なので、多くの人に味わってもらいたい」と話している。
出荷先は主に酒造メーカーや生協などで、7月上旬頃まで出荷が続く予想。