基盤強化へ信用に力

基盤強化へ信用に力
融資体制を集約、奏功
基盤強化へ信用に力

 JA紀南は、経営基盤強化の一つとして信用事業での「融資の伸張」に力を入れている。昨年度は支所の融資体制を集約し、相談機能の強化に取り組んだ結果、近年では約430億円で推移してきた融資額が約459億円と大きく伸び、融資額が約27億4000万円の純増となった。
 従来からも農業資金をはじめ、住宅ローンや事業資金など融資業務には力を入れていたが、低金利環境の長期化で、金融機関の収益は厳しい見通しとなっている。このため、JAでは収益確保を目指す最重要課題として、融資の拡大を掲げている。
 昨年度は、各種資金の相談や提案活動を円滑に行うため、管内14の支所で行っていた融資業務を9支所に集約。さらに農林中央金庫の「貸出強化支援プログラム」を導入し、農林中央金庫職員との連携訪問や人材育成、審査基準の基盤整備にも取り組んだ。
 本年度も引き続き支所の融資業務の集約を進めるとともに、新たに融資渉外担当者を基幹支所に複数人配置するなど、体制整備により融資相談機能を強化していく方針。
 この他、他部門との連携で総合事業としての強みを最大限に発揮し、地域農業はもちろん地域産業の発展に貢献したい考えだ。
 金融部では「昨年度は、融資への高い意識の下でいい結果を残すことができた。本年度も基幹支所を中心に、提案・相談機能を高めたい」としている。