イチゴ「まりひめ」出荷
稲成イチゴ研究会
JA紀南の「稲成イチゴ研究会」は、生産者5人が和歌山県のオリジナル品種「まりひめ」の共同出荷を行っている。寒さが続いた影響で生育はやや遅れているものの食味は良好で、5月中旬までJAに出荷する。
研究会が栽培する「まりひめ」は2010年に県が品種登録したイチゴで、大粒で甘みが濃く、果実の芯まで真っ赤に熟すのが特徴。メンバーは少ないが、品質にバラつきが出ないよう情報共有や意見交換を密に行うことで、品質の足並みを揃えている。
昨年は4人で約6万7000パックをJAに出荷し、今年からはメンバーが増えて作付面積も増加。年明けから2月中旬にかけて厳しい寒さが続いたが、その分時間をかけて生育することで甘みが増しているという。
JAの販売担当者は「研究会の努力で今年も品質が良いイチゴができている。出荷量が増えれば販路も拡大できて農業所得の向上にもつながるので、メンバーを増やしてもらえたらよりありがたい」と話す。
研究会の宮本誠士会長は「『まりひめ』はとてもおいしい品種だが、果肉が柔らかいため遠方まで出荷できないこともあり、知名度は低い。栽培管理にこだわり抜いて作っているので、もっと多くの人に食べてもらいたい」と期待している。
研究会の「まりひめ」は5月中旬頃まで収穫が続き、JAを通じて県内を中心に大阪の市場などに出荷されるほか、地元Aコープ、直売所などでも販売されている。