紀南地方の温暖な気候と、太陽の恵みをいっぱいに受けて育つみかんは、梅に次ぐ紀南の特産物です。
トップバッターは9月の極早生みかん。少し青さが残りますが、すっきりした風味と香りは、みかんの季節の訪れを消費者の皆さんに知らせる役割も果たします。
その後、12月にかけて早生、木熟みかんと続きますが、とろけるような甘さと、紀南みかん特有でもある薄い皮の食感が抜群!
年明けには、「紀州一番」という、これまた食味抜群の越冬みかんが控えており、冬の寒い時期には、ぜひ家族団らんでみかんを食べていただきたいものです。
みかんの効能について
温暖な気候のもとで栽培される紀南のミカンは、梅と並ぶ特産物。JA紀南管内には約1600戸のミカン農家があり、毎年9月中旬から温州ミカンの収穫が始まります。「ミカンが色づくと医者が青ざめる」と昔から言われてきたように、ミカンには体に良いとされる効果があります。
発ガン抑制効果!β―クリプトキサンチン
一般的にミカンと呼ばれる物は「温州ミカン」のことをさします。皮がむきやすく、ほどよい甘さと酸味があることから、昔から日本人にたいへん親しまれてきました。
かつては国民一人当たり年間23.1㎏も食べていた時代もありましたが、食の多様化などによって最近では6.3㎏に減少しています。しかし、近年の研究で温州ミカンには体に良いとされる様々な効能があることが分かってきました。
代表的なものとして注目されているのが、発ガン抑制効果があるという「β―クリプトキサンチン」です。温州ミカンの黄色い色素成分で、他のかんきつ類に比べても温州ミカンに圧倒的に多いのが特長です。
含有量は、ミカン一個(100g)につき約0.5~1㎎。何とオレンジの約100倍にあたります。また、発ガン抑制効果は、よく知られている「β―カロチン」の約5倍だと言われます。1日に1~2㎎の摂取で効果があるとされ、温州ミカンを毎日2個食べるとその量を満たします。
ちまたで「ミカンをたくさん食べると手が黄色くなる」と耳にしますが、これはいわば黄色の色素成分である「β―クリプトキサンチン」がしっかり体に吸収されている証拠なのです。
白いスジや袋に多く含有機能性物質「ヘスペリジン」
ミカンを食べるとき、白いスジや袋を取っていませんか?実はそのまま食べる方が体に良いのです。なぜなら、スジや袋にはペクチンなどの食物繊維が多いこと、それに機能性物質である「ヘスペリジン」が含まれているからです。
ヘスペリジンはフラボノイドの一種。抗酸化作用があり、それによって毛細血管の抵抗性を高め、高血圧や動脈硬化などを予防すると言われます。
含有量はミカン一個(100g)当たり0.1㎎。何も生果だけではなく、果汁100%の温州ミカンジュースにも含まれますので、季節を問わず手軽に摂取することができます。
また、ミカンの食物繊維は果肉にも含まれますが、白いスジにもあり、袋ごと食べた方が果肉だけ食べるより約四倍多く摂取できます。また、ペクチンは水溶性の繊維ですので、腸の中で水分を調整し便秘を解消してくれる働きがあります。
冬にかけてさらにおいしく風邪予防やお風呂にも利用
温州ミカンにはこのほか、肌に潤いを与えるビタミンAや、血行を良くする働きのあるクエン酸など様々な成分があります。これから寒くなりますが、風邪の予防に効果のあるビタミンCもたっぷり含まれています。
冬にかけてますます熟しておいしくなる温州ミカン。一家団らんコタツの上に置かれたミカンには、家族皆んなが風邪をひかないようにとの意味合いがあったのかもしれませんね。また、ミカンの皮を干して湯船に入れる「みかん風呂」も香りが良くて温まっていいかも……。
レモンやグレープフルーツなど、他のかんきつ類にもビタミンCが含まれていますが、やっぱり手軽においしく食べられて、何といっても地元のミカンが一番ではないでしょうか。
JA紀南では、農家が生産した旬のミカンを取り扱っています。お求めはお近くのA・coop各店・紀菜柑、または、JA紀南産直係(電話0739-25-4611)まで。ミカンの各種ジュースは購買部生活資材課(電話0739-25-5752)で取りそろえていますので、お気軽にお問い合わせください。
おいしいみかんの選び方
消費者の皆さんから「おいしいミカンはどうやって選べばいいの?」との声をよく聞きます。好みは十人十色だと思いますが、参考までに、次のようなポイントを念頭に置いて選んでみれば、おいしいミカンに出会える可能性が高いと思います。
- はさみの切り口(ヘタ)が小さいもの
- 濃いダイダイ色のもの
- 皮が薄くてしまった感触があるもの
- 大玉よりもやや小玉のもの
- 油胞(皮の表面のツブツブ)が細かいもの
以上5点あげましたが、必ずしもこれがおいしいとは限りません。皆さんもいろいろ食べ比べてみて、自分の好みに合うミカンを探してください。