JA紀南中央支所は5月から6月末までの4日間、地域の小学校から体育科授業の講師依頼を受け、職員が「タグラグビー」の指導に出向いた。支所の協同活動の一環で、講師を務めた田野清剛支所長は「学校教育とJAとの接点づくりのため、可能な限り協力していきたい」と話している。
「地域密着」をスローガンに掲げる中央支所では、これまでも学校への出前授業や農業体験を積極的に行っている。田野支所長がラグビー経験者で、他校でもタグラグビーの指導経験があったことから昨年出前授業が実現し、今年で2回目になる。
タグラグビーは、タックルなど激しいプレーなどがない子ども向けのスポーツ。その魅力を伝えようと、支所の職員5人がのべ4日間かけて、田辺市立稲成小学校6年生の授業に出向いた。
タグラグビーのルール説明をはじめ、パスの練習や「タグ取り鬼ごっこ」など、職員らは児童とのふれあいを楽しんだ。最終日には、5チーム総当たりの試合を行った。
タグラグビーを初めて体験した川口琥太郎くん(11)は「最初はルールが難しかったけど、やってみると慣れてきて楽しくなってきた。試合ではケガもしたけど試合に勝ててうれしかった」と感想を述べた。
鳥山修身校長(59)は「JAの皆さんには、ボランティアでタグラグビーを教えていただき、練習して終わりではなく、最後には校内大会をすることで子どもたちのやる気につながっている。学校としてこの出前授業はとてもありがたい」と語った。
田野支所長はこのほか、JAの事業についても説明。「出前授業でJAや職員を身近に感じてもらえるきっかけになった。昨年より授業時間を増やし、子どもたちとも親しくなったことで、職員も名前で呼んでもらえるようになった。授業は終了したが、学校との関係性を深めていきたい」と話している。