JA紀南管内で、「極早生ミカン」の収穫が始まった。今年は少雨の影響で小玉傾向だが糖度は平年より高く、酸度も平年並みからやや高いことから、甘みと酸味のバランスがよい果実が多く、生産者らは仕上がり具合を見極めながら収穫に励んでいる。
JA管内では950戸の農家が、およそ629㌶で温州ミカンを栽培している。極早生ミカンはそのうち約180㌶でつくられており、主な品種は9月中旬から収穫開始の「日南の姫」や「YN-26」、続いて下旬から開始の「日南1号」や10月の「ゆら早生」、「上野早生」などだ。
今年産は7月下旬以降の雨量が少なかったことが影響し、肥大が遅れている状況。温州ミカン全体の生産予想量は、平年並からやや少ない約9000㌧で、極早生は平年比9割にあたる約2900㌧を見込んでいる。
田辺市下万呂のミカン農家、小谷大藏さん(42)は12日から、極早生ミカンの中でも最も早い「日南の姫」の収穫を開始。「今年は糖度と酸度がともに高く、インパクトのある味わいだ。消費者には、この季節ならではの甘酸っぱさを楽しんでもらえたら」と話している。
市場販売については、16日から一部で販売を開始し、その後関西、関東方面を中心に出荷する。ピークは10月上旬を見込んでおり、早生ミカンが始まる直前の10月下旬まで続く見込みだ。